Exchange Server から Exchange Online に移行するときの注意点(一部ユーザーだけ365に移行する)

5/15/2021

Exchange Online Microsoft 365 Office 365

 前回、Exchange Server から Exchange Online に移行するときの注意点(autodiscoverレコード)を投稿しました。今回は、一部のユーザーだけExchange Server からOffice 365 のみに切り替える手順について、備忘を兼ねてまとめてみました。



  • ここまでにやっておくこと
  • 既存メールサーバーに、リダイレクトする設定を追加する
  • Exchange Online 上で、ユーザーを旧メールサーバーにリダイレクトするルールの除外対象にする
  • 完了!
  • 参考情報



ここまでにやっておくこと

事前に準備しておくことは、3つです。


まずは、DNSレコード。

AutodicoverレコードとMXレコード以外は登録済み、またSPFレコードは旧メールサーバーのレコードとExchange Online のレコード両方登録している状態、です。こちらにもまとめていますが「受信は旧メールサーバーに、送信は旧メールサーバーでも365からでも送信できる状態」にしておきましょう。



2つめは、365上に既存ドメインへのメールは既存メールサーバーにリダイレクトする構成です。

また上記の投稿の通り、Office365から該当のメールドメインは旧メールサーバーにリダイレクトするコネクタとルールを設定しておきましょう。



3つめは、Outlookアプリでの365へのログインです。

どのみち、メールの移行もするでしょうから、Outlookアプリでログインしておきましょう。Autodiscoverレコードがなくても、手動でログインはできるようです(サポートはされていませんが)



既存メールサーバーに、リダイレクトする設定を追加する

先行利用するユーザーのメールアドレスについて旧サーバに「Exchange Online へリダイレクトする」設定を追加します。


Office365では、通常のメールアドレス以外に、別名が自動で割り当てられます。

johnsmith@example.comだとすれば、johnsmith@example-com.onmicrosoft.comというような感じです。

・ローカル部はそのまま

・ドメイン部分はOffice365テナントごとにxxx.onmicrosoft.com


・・・などとなっています。こちらに、リダイレクトするよう設定しましょう。ただし、これだけではまだダメです。


現時点では、

1.MXレコードから、既存メールサーバーに着信する

2.Exchange Onlineにリダイレクト

3.Exchnage Online上のルールにより、既存メールサーバーにリダイレクト

4.上記の2と3を繰り返してしまう

のです。次のステップを必ず行いましょう。



Exchange Online 上で、ユーザーを旧メールサーバーにリダイレクトするルールの除外対象にする

ここまでにやっておくことの2つ目で作成したルールに、「ただし、次のユーザーの場合は除外する」という条件を設定します。


こんな感じですね。


Exchange Onlineのルールでは、配布リストやメールが可能なセキュリティグループなども使えるようです。人数が多い場合はこちらが都合が良いでしょう。


完了!


あとは、Outlook上の既定のアカウントを365アカウントにすればOKです。これで、メールはすべてExchange Onlineに届くようになります。ここまでにやっておくことの1つ目の設定で365から送信もできるようになっています。

あとは少数から移行してもらい、順次対象ユーザーを拡大すればOKです。


参考情報

Docs - Exchange Online のメール フロー ルールでの条件と例外 (述語)